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【長野】木曽で三代続く手作りの桶屋さん

地元の長野情報

長野県の木曽地域は周囲を山に囲まれた地域。土地の9割を山林が占めるそうです。その木曽には江戸時代、江戸と京都を結んだ中山道の一部が通っていて、そこは木曽路と呼ばれています。
周囲を山に囲まれた木曽地域は今も木工製品がたくさん作られています。
ギャラリーを併設した工房で親子で木工職人として活躍している桶数さんを紹介します。

2代目は全国でも指折りの職人

「木曽路はすべて山の中である」聞いたことある方、大勢いるのではないでしょうか。島崎藤村の『夜明け前』の書き出しです。この夜明け前にも出て来るように、木曽は四方を山に囲まれ、昔から良質の木に恵まれていました。

中でも木曽檜は有名で、伊勢神宮の式年遷宮には木曽檜が今も使われているんですよ。雨が多く寒さ厳しい急傾斜地に生育する天然の木曽檜は、その厳しい自然環境ゆえに他地域で育つ檜に比べて育成の速度が遅く、そのため木目が緻密で美しく、建材には最適なのだそうです。
同じように、サワラやコウヤマキ、ネズコ、アスナロは木曽五木(きそごぼく)として江戸時代に保護された樹木として今でも木曽を代表する木々となっています。

桶数さんはそうした木曽五木の檜やサワラなど天然木で桶やお櫃(おひつ)、お風呂などを作っている工房です。特に2代目はお風呂作りの名人。丁寧かつ職人の技が光る仕事で卓越技能賞受賞の経験をもつ木の匠です。大きなもので直径3メートルのお風呂を作ったこともあるそうです。
その実力は海外からも認められて、お風呂の注文があるそうです。(今はコロナ科禍で海外との取引はストップ中)

今は3代目になる息子さんと2人で工房を切り盛りしています。息子さんは全国で一番若い(他県にもう一人同い年の職人がいる)木工職人さんだということです。お父さんの背中を見て勉強しつつ、ミニチュア版の桶をはじめ小型の桶などは息子さんが専任で作っているそうです。

樹齢300年の木と向き合う

2代目はプロが認める職人の中の職人さん。そんな職人さんでも「木は怖い」と言います。何故かというと、丁寧な仕事、いい仕事をしないと木は無言の抵抗をするからだそうです。「だってそうでしょ。こっちは60年そこそこ、ところが木は300年も生きてきてそれを使わせてもらうんだから、用途によってどうなるかという先のことまで考えて作らないと」ということでした。

とても木に敬意を払っているのだと思いました。それから見えないところまで丁寧に作るのも信条だそうです。自分で竹を割いて“竹釘”を作っていました。長さや太さは色々でしたが爪楊枝くらいの太さで、折って見ろと言われたので力いっぱい試してみましたが、ビクともしませんでした。この竹釘を見えない内側に打って丈夫な桶を作るそうです。

工房にはギャラリーが併設されています。入り口に携帯電話を記した看板が置いてあるので、そこに電話をすれば直ぐ奥から出てきてくれました。ギャラリーには様々な大きさや変わった形の桶、お風呂などが展示されていました。

変わった形の風呂桶とは、ふつう風呂桶は円柱ですよね。桶数さんのところには一部が低くなっているものがあるんです。低いと言ってもなだらかな曲線で一部がへこんでいると言った方が想像しやすいでしょうか。
これはデザイナーさんとのコラボ作品だそうで、顔を洗う時には少し低い部分があった方が手を入れやすく使いやすいからだそうです。

昔ながらの作り方を踏襲しつつ、使い勝手やデザイン性を追求して今風にも挑戦しているのですね。

職人魂に触れてみて

木曽には個人で手作業で作っているところもあれば、会社として大量生産できるよう機械化を図っているところなど多くの木工製品を作っているところがあります。

桶数さんは丸太のまま仕入れ、2年ほどかけて自然乾燥させるのだそうです。桶やお櫃にはサワラを、お風呂にはコウヤマキや木曽檜というように使い分けをします。これはどの木工屋さんも同じで、木の性質、匂いなどを考慮したもの。
いくら檜の香りがいいからといって、それでお櫃を作ってしまうと、ご飯に木の匂いが移ってしまい、ご飯が台無しになってしまうからだそうです。適材適所とはこういうことですね。

で、桶やお櫃に使うサワラは外で雨や雪にあてて木がもつ油を抜くそうです。逆にお風呂用は暗い倉庫に置いて大事な成分が抜けないよう自然乾燥させるそうです。こうして自然乾燥させた木を無駄なく使っていくそうです。
乾燥をおえた木は必要な大きさに製材されて作品作りへとなります。作るときは時間はかけないそうですが、木を伐り出してから作品になるまでの道のりの長さにお驚きました。
中にはボイラーで乾燥させるところもある中、こだわりの強さを感じました。

木曽にはこうした桶やお櫃、お風呂などのほか、檜で作るお弁当箱、柄杓、お盆などや4、重箱やお膳などの指物、漆製品などがあります。
次回、木曽を訪れた時はそんな伝統工芸品を色々見て回ってみようと思います。

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