次々に発生して大きな被害を日本にもたらしている【線状降水帯】。
線状降水帯発生の原因は地球温暖化に関係あるのでしょうか?
ここ数年、注目されるようになった【線状降水帯】発生のメカニズムや予測ができるのかなど、調べてみました。
線状降水帯発生の原因は温暖化?
2021年、日本のお盆を襲った気象現象【線状降水帯】。
九州から広島は、お盆が過ぎた8月17日現在、大きな被害に見舞われ、さらに次なる大雨による洪水や土砂崩れなどの災害の危機にさらされています。
そもそも【線状降水帯】ってナニ
発達した積乱雲が次々と発生して帯状にならんだ積乱雲の集合体をいいます。
特にこれといった定義はないようで、気象庁では「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することでつくりだされる、線状に延びる長さ50~300キロメートル程度、幅20~50キロメートル程度の強い降水をともなう雨域」と説明しています。
日本で経験する集中豪雨による被害は台風以外では、約3分の2が線状降水帯によるものとの調査もあるようです。
線状降水帯発生の原因は温暖化?
線状降水帯は今になって起こっている現象ではないのです!
【線状降水帯】として広く知られるようになったのは2014年に発生した広島での豪雨災害だそうです。
そして、その原因には温暖化は関係しているようです。
雨の元になるのは、空気中に含まれる水蒸気。
その水蒸気の供給先は海。
海面の水温が高ければ、大気に供給される水蒸気も増えますよね。
今、日本近海の海面水温は地球温暖化によって上昇していて、その速さは世界の平均より2倍の速さだそうです。
今のところ100年あたり1.1度の上昇ペースだそうですが、いまのまま現状を放置していると21世紀末までの100年間で3.6度も上がると予測されているそうです(怖っ)。
今のままでは、この【先線状降水帯】の発生も増えるということは容易に想像できますね・・・。
線状降水帯が発生するメカニズム
線状降水帯で雨を降らしている元はというと、それは積乱雲です。
積乱雲といえば、真夏の空にもくもくと姿をみせ、夕立の原因にもなったりしていますよね。
その夕立や近頃盛んにいわれるようになったゲリラ豪雨との違いは「雨が降り続く時間の長さの違い」です。
1つの積乱雲は「できはじめてから雨を降らせ、衰えて消滅するまで」の時間は、およそ1時間くらいだとか。
そのうち激しい雨を落とすのは30分ほどといわれています。
でも【線状降水帯】の積乱雲は、何時間にもわたって豪雨が続きます。
成長しては消滅するという繰り返しをしているのが線状降水帯。
積乱雲が行列をなし成長と消滅を繰り返しているので時間も長く停滞してしまう。
残念ながらそのメカニズムはまだ確立されていないそうです。
線状降水帯発生は予測できる?
線状降水帯について、現在も色々な機関で研究が進められているそうですが、発生時刻や場所を予測できる段階には至っていません。
特に難しいのが降水量の把握だそうです。
線状降水帯の中で複雑に増殖と消滅を繰り返す積乱雲一つ一つの動きを分析する必要があり、今はまだ予測はできないそうです。
まとめ
発生すると大きな被害にも結び付く【線状降水帯】。
地球温暖化はその一因にもなっているようですから、私たちの生活も今一度見直すことは大切になりますよね。
そして、気象情報を正しく入手し、大きな被害につながらないよう、また被災したときの準備、命を守る行動など、防災への準備をしておくことも大切といえそうです。
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